<昨日、近所スーパーに行ったら、新商品のヨーグルトの試食販売をやっていたんです。『今こそ、免疫力アップ!』なんて言われたら、気になるじゃないですか。ちょっと試食してみたら、そのお姉さんがマシンガントークで大変! 矢継ぎ早にいろんな種類を次から次へと渡してくれるんです。断るに断れず、モグモグ食べていたら、そこに通りかかったのが近所の奥さん。挨拶したんですが、恥ずかしくなっちゃいました。思わず私まで『これ、おいしいですよー』なんて宣伝しちゃいました。参りましたよ!>

 こちらのほうが断然、伝わりやすいですよね。これは、一文が完結するたびに、聞き手が話を理解する間が生まれるからです。話し手も、この間を使って、「理解しているかな?」「伝わっているかな?」と相手の様子を確認しながら話を進められます。

 伝えたい情報をひとつひとつ手渡して、確認していくイメージです。

■小さな“シーン”ごとに区切ってみる

 短く言い切るコツとしては、ドラマのシーンごとに区切って撮影している感覚。「スーパーに行ったら試食販売をやっている」「宣伝文句を聞いて気になった」「試食してみたら猛烈なセールストークが炸裂」……と、小さいまとまりを作っていきましょう。

 このようなイメージを思い浮かべながら、まずは「簡潔&完結」に言い切るように意識してみてください。

 慣れないうちは、「なんだか心もとないな」と違和感があるかもしれません。でも大丈夫。日頃から、「。」を打とう、言い切ろう、と意識していると、次第に習慣として身についていきます。

 習慣化すれば、話をダラダラつなげること自体、気持ち悪く感じるようになってきます。そうなればもうこっちのもの。

 会話の中の「。」を大切にすることで、あなたの会話の第一印象はスッキリ分かりやすいものへと変わっていきます。

 しかも今すぐ始められるシンプルさ。「本当にそれだけで?」と思った方は、今日は一口試してみるような感覚で、ひとつでも「。」を増やすことを意識してみてくださいね。小さな工夫で会話の印象を大きくアップさせる第一歩。まずは気軽に始めていきましょう。

【ここまで聴いてくれたあなたへ】
「。」を増やせば、わかりやすさが増す。

(構成/小川由希子)

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秀島史香

秀島史香

秀島史香(ひでしま・ふみか)ラジオDJ、ナレーター。1975年、神奈川県茅ヶ崎市生まれ。慶應義塾大学在学中にラジオDJデビュー。映画、テレビ、CM、美術館音声ガイドなど多岐にわたり活動している。現在FMヨコハマ『SHONAN by the Sea』、NHKラジオ『ニュースで学ぶ「現代英語」』、NHK Eテレ『高校講座 現代の国語』などに出演中。著書に『いい空気を一瞬でつくる 誰とでも会話がはずむ42の法則』『なぜか聴きたくなる人の話し方』(共に朝日新聞出版)。ハスキーで都会的な声質、あたたかい人柄とフリートークが、クリエイターからリスナーまで幅広く人気。

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