■北条氏が創立した建長寺公認のけんちん汁
鎌倉幕府5代執権・北条時頼(「鎌倉殿の13人」の主役・北条義時のひ孫)が、建長5(1253)年に創立した建長寺。その寺で作られた精進料理が、けんちん汁である。
点心庵は建長寺の門前に立ち、高橋博文総料理長は同寺の吉田正道老師から直接けんちん汁の作り方を教わった。食材のムダをなくすため野菜は皮ごと使用。出汁は動物を用いず干し椎茸と昆布から取るなど、唯一の公認店として寺の教えを守っている。胡麻油の香りが食欲をそそる。
(取材・文/本誌・菊地武顕)
※週刊朝日 2022年5月27日号