【96年ドラフト組】
井口資仁(ダイエー)、松中信彦(ダイエー)、小坂誠(ロッテ)、岩村明憲(ヤクルト)、和田一浩(西武)、森野将彦(中日)、小笠原道大(日本ハム)、谷佳知(オリックス)、大塚晶文(近鉄)、黒田博樹(広島)
96年アトランタ五輪に出場した社会人野球選手が多数プロ入りした。松中、谷らである。井口も大学生ながら五輪に出場していた。打者に逸材がそろっていた。和田は大学から社会人経由のドラフト4位でありながら、通算2000安打を達成した。異彩を放つのは小坂だ。新人王、盗塁王2度、ゴールデングラブ賞4度で「大活躍選手」の仲間入りを果たしている。
【98年ドラフト組/松坂世代】
小林雅英(ロッテ)、藤川球児(阪神)、福原忍(阪神)、上原浩治(巨人)、岩瀬仁紀(中日)、松坂大輔(西武)、新井貴浩(広島)、福留孝介(中日)、金城龍彦(横浜)
98年は松坂と上原が人気を二分したが、当時は「逆指名制」で、上原と二岡智宏が巨人を逆指名した。逆指名権のない高校生の松坂は西武のほか、日本ハムと横浜も指名している。80~81年生まれのいわゆる「松坂世代」だが、高校出で入団して活躍した選手は驚くほど少ない。藤川のほかは、東出輝裕(広島)と森本稀哲(日本ハム)くらいだ。「松坂を見てもっと力を磨かなくては」と大学に進学したという、2002年のドラフト入団組には和田毅(ダイエー)、村田修一(横浜)、永川勝浩(広島)らがいる。他の年の社会人組では杉内俊哉(ダイエー)が「大活躍投手」であり、久保康友(ロッテ)が新人王を受賞した。しかし「松坂世代」から「名球会入り」は出ていない。98年ドラフト組の打者では金城が首位打者、新井が本塁打王・打点王のタイトルを獲得している。福留は45歳ながら現役だ。
【2006年ドラフト組/マー君世代/ハンカチ世代】
田中将大(楽天)、前田健太(ツインズ)、坂本勇人(巨人)
「マー君世代」で高校卒業後に入団して大活躍した選手は、田中と坂本、前田の3人。田中と坂本が少年野球時代にバッテリーを組んでいたのは有名な話だ。坂本は首位打者獲得、40本塁打マーク、通算2000安打達成、ゴールデングラブ賞5度で、すでに史上ナンバーワン遊撃手といっても過言ではない。前田も沢村賞を2度受賞していて、「名球会入り」も有望視される。同い年で高校卒業後に入団した吉川光夫(栃木ゴールデンブレーブス)は、日本ハムで12年に14勝、最優秀防御率に輝いた。会沢翼(広島)はベストナインを3度受賞。斎藤佑樹(日本ハム)と同様、大学進学組で10年ドラフト組の「ハンカチ世代」「マー君世代」には、澤村拓一(レッドソックス)、大野雄大(中日)、柳田悠岐(ソフトバンク)、秋山翔吾(パドレス傘下3Aエルパソ)らがいる。田中と同い年の社会人組では、150セーブを達成した増田達至(西武)、100ホールドを達成した松永昂大(ロッテ)、最優秀防御率に輝いた石川歩(ロッテ)、首位打者に輝いた宮崎敏郎(DeNA)がいる。06年ドラフト組の大学出身者では希望枠入団の岸孝之(楽天)が今季通算150勝達成間近であり、独立リーグから入団した角中勝也(ロッテ)は首位打者を2度獲得している。
こうして考えると「1968年ドラフト組」が断トツで、それに続くのは「野茂世代」「96年ドラフト組」の順だろうか。「松坂世代」「マー君世代」は大学進学後にプロ入りした選手の活躍が目立つ。「佐々木朗希世代」は、今後どんな活躍を披露してくれるのだろうか。(新條雅紀)