
三つ目の理由は、米国との関係だ。
「エルドアン政権はスウェーデンとフィンランドのNATO加盟問題に米国も巻き込み、米国がシリアのクルド人勢力の支援から完全に手を引くこと、そしてトルコがロシアの防空ミサイルシステムを購入したことで保留となった米国製F16戦闘機の購入なども交渉材料に入れている可能性があります」
NATO加盟反対は「試金石」
ロシア軍によるウクライナ侵攻下においても“立ち位置”を明確にしようとするエルドアン大統領。今後、トルコはどう動くのか?
「トルコの国益も考慮し、当面、ウクライナを支援しつつもロシアにも配慮し、仲介をしていくでしょう。プーチン政権の暴走がひどくなり、もう関係継続が難しい、と判断するギリギリまで両国に関与するスタンスを取り続ける。ただ最終的にはウクライナ、NATO側という選択しかないのではないでしょうか。スウェーデンとフィンランドのNATO加盟問題は、今後のトルコの立ち位置の試金石になると思います」
(AERA dot.編集部・米倉昭仁)