今年の大学ラグビーも帝京大学が覇権を握るのか?
今年の大学ラグビーも帝京大学が覇権を握るのか?

 国内のラグビー界では、初代チャンピオンを決める29日のプレーオフ決勝(東京サントリーサンゴリアスvs埼玉パナソニックワイルドナイツ)で初年度のリーグワンが幕を閉じるが、入れ替わるように大学の新たなシーズンが始動している。関東大学春季交流大会は対抗戦とリーグ戦の各9校を3グループに分けて来月26日まで総当たり戦を実施。関西大学春季トーナメント戦は7月3日に決勝など順位決定戦が行われる。昨シーズンは帝京大学が4年ぶりに大学日本一の座に返り咲いたが、9連覇当時のような帝京時代が再来するのか、それとも、毎年異なる大学王者が誕生した過去4シーズンのように戦国時代が続くのか。

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 帝京大学が10度目の優勝を決めた今年1月9日の全国大学選手権決勝。試合後の記者会見で驚きのニュースが飛び出した。岩出雅之監督が退任の意向を明らかにしたのだ。1996年に就任し、2009年度から前人未踏の全国大学選手権9連覇(これに続く連覇記録は同志社大学の3連覇)を成し遂げた。そのチーム力の高さは圧倒的だった。日本で開催されたラグビーワールドカップ2019で活躍した日本代表の姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ)、流大、中村亮土(ともに東京サントリーサンゴリアス)らを輩出している。

 岩出前監督の後任として就任したのは大学OBの相馬朋和氏。現役時代のポジションはFW最前列で戦うプロップで、卒業後は三洋電機(現・埼玉パナソニックワイルドナイツ)に進み、日本代表に選ばれてワールドカップ2007にも出場している。現役引退後はパナソニックでコーチを務めた後、昨年10月に帝京大学のFWコーチに就任していた。

 岩出前監督は強いチームを作っただけでなく、チームの文化や医科学サポートなど新たな体制も構築した。その遺産を受け継ぐ一方で、大学チームでは選手は毎年入れ替わり、それゆえチームも変化していく。相馬新監督がいかに常勝のDNAを受け継ぎ、さらに進化させていくかが注目される。

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有力チームは軒並み“若い監督”が誕生