週刊朝日MOOK「手術数でわかる いい病院」の創刊20年を記念して4月24日に開催したオンラインセミナーでは、著名な4人の医師が登壇。第3部では、「大きな病気にかかったら……治療選択と心の整理」と題して、都立駒込病院前院長で、同院の「意思決定支援外来」発起人である鳶巣賢一医師にお話をうかがいました。
本題のあと、セミナー応募者の皆さんに事前にいただいた質問にも、答えてもらいました。「セカンドオピニオンを希望するとき、どう医師に伝えると気まずくならない?」「がん相談支援センターとはどんなもの?」といった質問への回答をお届けします。聞き手は同ムックの杉村健編集長が務めました。第3部に続き、セミナーでは紹介しきれなかったQ&Aをお届けします。
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■自分の大切な命の問題だから、がんばって伝えてほしい
編集長:セミナーを視聴している皆さんから事前にいただいた質問です。「セカンドオピニオンに気後れします。気まずくならない伝え方を教えてください」とのことです。
鳶巣:「セカンドオピニオンをとりに行きたい」と言って、ムッとするような医師はかなり減ったと思いますが、話しにくい医師だから言いにくい、というケースがあることもよく理解しています。しかし、難しいのを承知で言わせていただくと、ご自分の命の問題ですから、なんとか踏んばって医師に気持ちを伝えるべきだと思います。
鳶巣:一人で言いにくい場合は応援団を連れて行き、同席した人に話を切り出してもらう方法、質問事項を箇条書きにして医師に見せる方法もあります。質問事項は四つくらいにして、その中にセカンドオピニオンのことを入れておくのです。また、どうしても医師に言えない場合は、がん診療連携拠点病院のがん相談支援センターに行きましょう。そこを介してセカンドオピニオンをお願いする手があります。がん相談支援センターはその病院の患者さんだけでなく、他院にかかっている人の相談を受けることが義務づけられているので、遠慮することはありません。