週刊朝日 2022年6月10日号より
週刊朝日 2022年6月10日号より

「経験値の高い伝統的な進学校では『安易に志望校のランクを下げるな』と指導されていたはずです」(神戸さん)

 国公立大に強い高校はどこか、合格者数ランキングを見てみよう。全国最多は済々黌(本)で358人。開成(東京)337人、金沢泉丘(石川)336人、修猷館(福岡)335人、東海(愛知)330人と続いた。トップ15校の顔ぶれは、いずれも屈指の大学合格実績を誇る伝統校で、特に西日本の公立校が目立つ。

「東西での差異というより、首都圏とそれ以外での受験行動の違いが表れている結果でしょう」(同)

 首都圏には早慶を筆頭に有力私大が充実しているため、地元を出て地方の国公立大に進学する道が選ばれにくい。その意味で、このランキングに西の公立校が並ぶ傾向は来年も変わらないと思われる。ただ、3年後にはランキングに変動があるかもしれない。

「今年から新しい教育課程に変わるのに伴い、2025年の大学入学共通テストではプログラミングなどを扱う『情報I』が必須科目になります。現役合格を優先する受験生は、この年は国公立大受験を避けて私大受験に切り替えるなど、安全志向となるでしょう」(同)

 新教科への受験対策など、各高校の動向に注目したい。(本誌・秦正理)

週刊朝日  2022年6月10日号

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