今年の正月に行われた第98回箱根駅伝では、青山学院大が2年ぶり6度目の総合優勝を飾り、以下、順天堂大、駒澤大、東洋大、東京国際大、中央大、創価大、國學院大、帝京大、法政大の10校がシード権を獲得した。来春の第99回箱根駅伝も、この10校を中心としたレースが予想される一方で、シード権を逃した大学の中にも楽しみなチームは多くある。
ノーシード校の中で最も戦力値が高いのが東海大だ。今年の箱根では最終10区で失速して11位に終わったが、出走メンバー10人中7人が3年生以下。新チームとなってから松崎咲人(4年)、竹村拓真(4年)の最上級生たちがハーフマラソンで好走し、山登り5区で7人抜き&区間2位の走りを見せた吉田響(2年)も健在。そこに兵藤ジュダ(1年)、花岡寿哉(1年)と5000mの自己ベスト13分台の記録を持つ楽しみな新戦力も加入した。何より、5000mで現役日本人学生5位のタイム(13分30秒98)を持つエース・石原翔太郎(3年)が、今年の5月に長期離脱から約1年ぶりに実戦復帰したことが大きい。箱根は8年ぶりの予選会スタートとなるが、石原が完全復活を遂げ、即戦力ルーキーたちが順調に力を伸ばせば、上位争いは間違いない。
今年の箱根で「総合5位以上」を掲げながらも14位と惨敗した明治大も、依然として選手個々のレベルは高い。全日本、箱根と好走した小澤大輝(4年)を新主将に据え、今年3月の日本学生ハーフで1時間02分10秒の好タイムで4位に入ったエース・富田峻平(4年)や1年、2年時に2区を走った加藤大誠(4年)、さらに10000mでチーム最速の28分19秒77の記録を持つ櫛田佳希(4年)など最上級生に有力選手が揃う。そこに広島・世羅高のエースとして都大路で1区区間賞を獲得した森下翔太(1年)らが加わり、「今年が勝負」との共通認識がある。予選会から本戦への流れも含めたチームとしてのピーキングを間違うことがなければ、今度こそ箱根路を沸かせられるはずだ。