平良達郎(中央)のUFCデビュー戦でセコンドに付いた岡田遼(左)と松根良太(右)(写真は岡田遼氏からの提供)
平良達郎(中央)のUFCデビュー戦でセコンドに付いた岡田遼(左)と松根良太(右)(写真は岡田遼氏からの提供)
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 日本時間5月15日、沖縄の本土復帰50周年となったこの日、那覇市出身の平良達郎がUFCデビュー戦で勝利した。現在、国際舞台で苦戦が続く日本総合格闘技だが、平良は11戦11勝無敗の戦績はもちろん22歳と若く、日本初のUFC王者を期待される選手である。そんな平良の先輩であり、UFCでのセコンドを務めた第11代修斗世界バンタム級王者・岡田遼に、平良の人となり、そして今後の戦いについて聞いた。

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「結局、松根良太さん(平良の師で所属するTheパラエストラ沖縄代表)も言ってましたけど、達郎のデビュー戦は100点だったんじゃないかと」

 UFC以前の10戦では10勝のうち3KO・5つの一本勝ちとフィニッシュ率の高さも魅力の平良だが、デビュー戦となったカルロス・カンデラリオ戦ではバックからチョークを獲りかけるも一本ならず判定勝ち。なぜ、その試合に100点をつけるのか。

「UFCのオクタゴンで5分3R、やれる最大限の時間を使って戦って、すごくよかったんじゃないかと思います」

 2020年11月の清水清隆戦こそ3Rの判定勝利だった平良だが、その後は21年3月の前田吉朗戦、同年7月の福田龍彌戦、11月のアルフレド・ムアイアド戦といずれも1R一本勝ちを収めており、もつれて競った試合でまだ試されていない側面があった。

「本人も長いラウンドのシンドい試合をしたことがないっていうのがコンプレックスだったみたいです。なので、ずっと念願だった試合ができてよかったんじゃないですかね」

 2R、バックに回りチョークを狙うも獲り切れず、ここでのエネルギーロスから最終Rの動きが懸念された平良だが、カンデラリオのギロチンを逃れ、再びバックに回ってチョークとフェイスロックを狙って終了。30-26、30-27、30-27とジャッジによっては4点差をつける大差で完勝を果たした。

「(2Rで力を使い疲れてしまってないか)僕も心配だったんですけど、松根さんはそこまで見えていて。『決定的なチャンスが来て極めに行くけど極められないっていうパターンもある。その時に“あぁ疲れた、ダメだ”じゃなく、15分しかないんだから15分やり続けよう』っていう話はずっと松根さんがしてました。達郎もそれがあったから“これも想定の範囲内だな”と思ったみたいです」

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平良にとって格闘技は「付き合いたての彼女」