
施設内にも多くの店舗があるのだが、そこを利用するのは観客たち。昔ながらの“しきたり”を熟知した座長さんとスタッフらが「急に観に来てくださった方へのお土産をすぐに買いに行けて便利」「2個ずつとか少しだけのお願いでも最高の接客で素早く包んでくれる」と絶賛するのが劇場のすぐ近所にある『銀座あけぼの 日本橋浜町店』だ。本店は銀座4丁目交差点近くの晴海通り沿いで、その賑わいを目にした方も多いだろう。まだ甘いものが貴重だった戦後、人々の活力の素と「新しい日本の夜明け」を願う想いが店名になったという。
現在、人気の定番菓子に使っているのは契約農家で栽培された北海道産小豆や、宮城県産みやこがねもち米。
「日本橋浜町店」は、大通りから少し入った閑静な場所にあり、ショーケースが見やすく、何より『明治座』とは目と鼻の先。季節のお菓子から「白玉豆大福」「もちどら」「姫栗もなか」などなど、職人が早朝から丹精こめて仕上げた菓子の数々は自分用に1個、2個からも買える。
店主は職人に対し、「自分の一番大切な方に差し上げるお菓子だと思い、心をこめてください」と常に言っているのだとか。大御所らが安心して進物に利用できるワケである。
山田美保子(やまだ・みほこ)/1957年生まれ。放送作家。コラムニスト。「踊る!さんま御殿!!」などテレビ番組の構成や雑誌の連載多数。TBS系「サンデー・ジャポン」などのコメンテーターやマーケティングアドバイザーも務める
※週刊朝日 2022年6月17日号