イラスト/ウノ・カマキリ
イラスト/ウノ・カマキリ

 私は先日、前経済再生担当相の西村康稔氏と会って、「骨太の方針」では経済成長は実現できないのではないか、と不満をぶつけた。

 12年に第2次安倍晋三内閣がスタートしたとき、安倍首相は日銀の黒田東彦総裁と組んで、異次元の金融緩和と思い切った財政出動によって経済成長を実現させると意気込んでいた。だが、18年に3選した後、まったく経済成長ができていないことを知って、西村氏を担当相に据え、齋藤健氏、村井英樹氏らをキーパーソンにして、日本の産業構造の抜本的改革を図ろうとした。日本的経営の基本である年功序列や終身雇用の見直しなど、経営者や政治家たちの意識改革が必要と考えたのである。

 しかし、安倍首相は途中で辞任し、去年4月に菅義偉首相にこの構想の実現を訴えたのだが、菅首相は「現在、私はコロナ問題で精いっぱいで、コロナが一段落したら取り掛かる」と答え、そのまま辞任してしまったのである。

 私が西村氏に、かつての構想をやるべきだと打診すると、氏の反応は極めて良かったように感じた。具体的にどうすればよいか。齋藤氏、村井氏とも相談したいと考えている。

週刊朝日  2022年6月24日号

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