大学で最も長く指名が続いているのが明治大だ。昨年は丸山和郁(ヤクルト2位)が指名を受け、12年連続指名となったが、これは同一チームでは最長記録である。野村祐輔(広島・2011年1位)、島内宏明(楽天・2011年6位)、柳裕也(中日・2016年1位)、佐野恵太(DeNA・2016年9位)がタイトルを獲得し、高山俊(阪神・2015年1位)と森下暢仁(広島・2019年1位)も新人王に輝いている。高校時代に評判だった選手をしっかりレベルアップさせてNPBに送り出しているという意味ではナンバーワンの大学と言えるだろう。
今年はここ数年の中でも最も候補が少ないと言われているが、その中でも可能性がありそうなのがキャプテンの村松開人(二塁手・静岡)だ。高校時代から抜群のスピードとミート力が持ち味の内野手で、昨年は春秋連続で3割5分を超える高打率をマークしている。しかしこの春は2月に右膝の手術を受けた影響でリーグ戦は3試合に代打で出場したのみ。続く大学選手権では指名打者として起用され、2試合連続でヒットを放つなど復活の兆しを見せたが、ドラフト戦線からは出遅れていることは確かだ。この夏の間に膝を完治させて、秋には守備と走塁でも高いレベルのプレーを見せられるかが重要になるだろう。
社会人のナンバーワンは11年連続で指名が続いているJR東日本。この11年間で指名された19人のうち14人が投手で、東條大樹(ロッテ・2015年4位)、田嶋大樹(オリックス・2017年1位)、板東湧梧(ソフトバンク・2018年4位)、伊藤将司(阪神・2020年2位)などが現在も一軍で活躍している。
今年のチームで候補となるのも投手の小谷野楽夕(24歳・日大三→日本大)だ。高校時代は故障もあってそれほど目立った実績を残しておらず、日本大でも大半が二部でのプレーだったが、着実に力をつけてJR東日本へ入社。1年目の昨年から公式戦で多く経験を積み、山田龍聖(巨人・2021年2位)の抜けた今年はエースとして活躍し、チームの都市対抗出場にも大きく貢献している。
184cmの長身と長いリーチを生かした腕の振りで、数字以上に速く見えるストレートが持ち味。変化球のコントロールも安定しており、腕を振って投げられるブレーキ抜群のチェンジアップは特に面白いボールだ。都市対抗本選でしっかり結果を残すことができれば、ドラフト指名も近づくはずだ。