交流戦で8勝10敗と負け越し、首位・ヤクルトと7ゲーム差まで広がった巨人(6月16日時点)。リーグ戦再開後に反攻態勢に出たいが、状況は厳しい。
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「坂本勇人が交流戦終盤に戻ってきたのは大きなプラスアルファですが、懸案事項は投手陣です。救援陣が登板過多なのが気になりますし、この起用法だと1年持たないかもしれない。鍬原拓也は勝利の方程式に組み込まれていましたが、同点の場面やビハインドの場面も登板するようになり直球の球威がなくなっている。逆転Vできるか注目されていますが、4位の阪神も迫ってきている。リーグ優勝どころかBクラスに転落する恐れもあります」(スポーツ紙記者)
エース・菅野智之は6勝4敗、防御率2.77と成績を残しているが、全盛期の力はなくなっているようにみえる。若手の育成が急務の中、4月に堀田賢慎、戸田懐生、赤星優志、大勢、平内龍太、山崎伊織の6人がプロ初勝利をマーク。4月までに6投手がプロ初勝利を挙げるのは初めての快挙だった。だが、堀田、山崎は手術明けで無理をさせられない。ドラフト3位・赤星も大量失点の登板が続き、2度の登録抹消。今月9日の西武戦で先発予定の菅野が発熱で登板回避し、赤星が緊急登板で5回無失点に抑えて3勝目をマークしたが、先発ローテーションで計算が立ったとはいえないだろう。
先発陣が長いイニングを投げていないから、救援陣にしわ寄せがきているとも言い切れない。交流戦終了時点で救援陣の平均投球回数を見るとヤクルトが3.38に対し、巨人が3.17とさほど変わらない。だが、救援陣の防御率はヤクルトがリーグトップの1.85に対し、巨人はリーグワーストの3.77と明暗がくっきり分かれている。巨人はビエイラが5試合登板で防御率11.25、今村信貴が25試合登板で防御率4.81、デラロサ、畠世周は本来の状態ではなくファームで調整している。
ヤクルトが交流戦で13勝4敗と4年ぶり2度目の優勝を飾った原動力は強力な救援陣だった。守護神・マクガフが26試合登板で防御率0.69を筆頭に、セットアッパーの今野龍太が21試合登板で防御率0.47、梅野雄吾が16試合登板で0.59、清水昇が18試合登板で防御率1.59、石山泰稚は21試合登板で防御率2.21、巨人から昨年の開幕直前にトレード移籍した田口麗斗は開幕から21試合連続自責点0で防御率0.00。ベンチ入りしている救援の9投手が全員防御率2.50以下という抜群の安定感だ。