「高齢者はブランド品など『いいモノ』を持っている人が多い。例えばブランドバッグを貸すビジネスにバッグを預け、誰かに借りてもらえばお金がもらえます。人気バッグを五つ持っていれば、それだけで月に1万円になることもあります」(同)

 土地や家・マンションを所有していれば、立地が良ければ、わずかのスペースでも駐車場として貸せる。マンションを人に貸して、自分は賃貸に住むのも「あり」だ。

「今やYouTubeに進出している高齢者も多いですよ。最近バズった例では、自分の年金額を公開した動画がありました。『こんな職業で、こういう人生を送ると、これぐらいになる』と明かしているんです。見ている人は幅広く、何でもピーク時は月に十数万円儲かったこともあるそうです」(同)

 なるほど、工夫しだいで思わぬものがお金になるし、ユーチューバーとして楽しみながらお金を稼ぐこともできるのだ。

 年金「繰り下げ」をベースに、お金を増やす三つの王道を実践しつつ、ネットを利用した情報収集にも励んでみる──30年間ほとんど増えない年金額を見ていると憂鬱になるが、案外、身近なところに「突破口」があるのかもしれない。(本誌・首藤由之)

週刊朝日  2022年7月1日号

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首藤由之

首藤由之

ニュース週刊誌「AERA」編集委員。特定社会保険労務士、ファイナンシャル・プランナー(CFP🄬)。 リタイアメント・プランニングを中心に、年金など主に人生後半期のマネー関連の記事を執筆している。 著書に『「ねんきん定期便」活用法』『「貯まる人」「殖える人」が当たり前のようにやっている16のマネー 習慣』。

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