彼女のいる業界では、年収1000万円を超えて一人前。毎年「達成しそうだよね」と言われつつ700万円くらいにとどまっていた状況をいまこそ打破したい。またコロナ禍で提案書やお客さまの書類を家で管理する量が増え、危うく書類を1つ紛失しかけたことも重なって、典子さんはこれまでのやり方を変えていこうとしていました。

「書類の整理と仕事の成績の2つとも、効率や片づけと結びつくんじゃないかと思ったんです。もう徹底的にやるしかない」

 そう感じたとき、プロジェクトが目に留まったのでした。

 片づけをはじめてみると、まず45日間という期限が鍵になったそうです。

「後回しグセがそもそもの原因なので、1年かけてやりましょうと言われても片づけられなかったと思います」と言う典子さん。私やスタッフにお尻をたたかれ、他の受講生の部屋に刺激を受け、後回しにするひまもなく手を動かす習慣が身につきました。

 不用品は180袋ほども出て、一部はリサイクルのために売りました。講座でリサイクルショップや地元の掲示板サービスをおすすめしますし、受講生は「こんなのがいくらで売れたよ」と情報を出し合います。

「娘のおもちゃは10000円のものが500円にしかならないのに、期待していなかった人形が2000円とかで売れたんです」と、意外なものが売れる楽しみを発見。売り上げの総額は35万円にもなり、家族も楽しんで協力してくれたんですって。

100円グッズで典子さん好みのキッチンに変身。以来、穏やかな朝を過ごしています/After
100円グッズで典子さん好みのキッチンに変身。以来、穏やかな朝を過ごしています/After

 収納は100円ショップを活用して家計にやさしく整えました。キッチンは壁まで塗り替え、お金をかけずにカフェ風に。お金をやりくりしながら楽しんで片づけをやり切った典子さん。本題の収入、昨年の結果は……?

「1000万円に届いたかと思ったら一件解約が入って、最終997万円だったんです」

 秋から片づけて収入も増えたけど、わずかに届かず惜しい結果に。
「もっと頑張れってことじゃない?」と周囲から励まされ、なんと今年は既に1000万円を達成してしまいました。

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