「その年代になると、趣味や友人との旅行など、夫や妻が『自分の好きなことをやらせてくれる』点で、相手への評価がグッと高まっているんです。ある意味、40代以降の時間経過中に調整を重ねて導き出された結果であり、見方によっては、この一連の流れは期待値の表れと考えることもできるわけですね」(金井さん)

■ 毎日1時間以上の夫婦の会話

 年齢を重ねれば関係が改善する可能性があるとはいえ、40代、50代の夫婦が今できる、解決策はないのだろうか。

 ヒントは若い世代。全体的に満足度が高い20代、30代は、お互いの不満を改善するための話し合い、すり合わせが十分に行われているとみられる。夫が家事と育児に協力的なことも大きいだろう。

 実際、年齢を問わずに出した同調査の結果では、コロナ禍で夫婦関係の満足度が上がったと回答した人は、パートナーが家事や育児をする傾向にあった。それは兼業主婦、専業主婦世帯でも同様だった。

 また、配偶者と同じ寝室ということも夫婦円満コツのようだ。同調査では、夫婦関係の満足度が上がったと回答した人と下がったと回答した人とで差がはっきりみられた。夫婦関係の満足度が上がったと答えた人の67.5%がほぼ毎日同じ部屋で寝起きをしているのに対し、満足度が下がったと回答した人は29.9%にとどまっていた。

リクルートブライダル総研調べ※本調査では、性・年代別に定数にてサンプルを回収し、集計の際に実際の性・年代別既婚者の人口構成に合わせるために、サンプルに重みづけを行った(ウエイトバック集計)。数値(構成比・割合)は、一部を除きウエイトバックによる補正後の件数で算出したもの。また、小数点第2位以下を四捨五入しているため、構成比が100%にならない場合もある。
リクルートブライダル総研調べ※本調査では、性・年代別に定数にてサンプルを回収し、集計の際に実際の性・年代別既婚者の人口構成に合わせるために、サンプルに重みづけを行った(ウエイトバック集計)。数値(構成比・割合)は、一部を除きウエイトバックによる補正後の件数で算出したもの。また、小数点第2位以下を四捨五入しているため、構成比が100%にならない場合もある。

 そのほか、同調査では「配偶者に感謝の気持ちを伝える」「毎日1時間以上の夫婦の会話」の2点を行なう頻度も夫婦関係の満足度と関係していることがわかった。満足度が上がった人は、当然、パートナーとの会話が多く、「ありがとう」と相手に伝える機会も多い傾向にあった。

「当たり前のことですが、何かしてもらったら必ずおたがいに『ありがとう』を。たった一言でも関係が良くなる大事な言葉です。また、うまくいっている夫婦は日常の雑談が多いもの。話題に困ったら、子供の父母としての業務連絡のような会話でもOK。『私たちの頃は~だったね』など、会話を広げていくことができます」(同)

■ 結婚式を経験していたほうが関係に満足

 さらに、興味深いことに、結婚時の結婚式や披露宴といたイベントの実施の有無も関係しているようなのだ。同調査の結果によると、結婚式や披露宴、記念写真撮影など、結婚時に何らかのイベントを経験しているほうが、未経験の場合より夫婦関係に満足している傾向にあった。過去には戻れないものの、夫婦関係を考えるうえでの一つの参考にしてほしい。

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対等な関係になりたい…働き出した妻