リクルートブライダル総研の金井良子さんによると、共働き世帯では夫も妻も満足度が上昇。一方で、専業主婦世帯では夫の満足度が上がる反面、妻は下がる傾向に。兼業主婦世帯では夫・妻ともに下降傾向にあるという(※兼業主婦世帯=夫の扶養家族に入っている妻がパートやアルバイトに従事している世帯)。Aさん、Bさん、Cさんはこの傾向にピタリとはまっているように見える。
同調査で夫婦関係の満足度について、専業主婦世帯の場合、夫は「上がった」と13.7%が回答。対する妻は「下がった」が12.0%で、「上がった」よりも2.7ポイント上回っていた。
「共働き夫婦は理想的な家事分担ができやすいのに対し、専業、兼業主婦世帯の妻は夫の在宅で家事時間が増え、自分ひとりで過ごす自由な時間が激減。たまった心身の疲れとストレスで夫婦関係の満足度も下がっているとみられます。また、兼業主婦世帯で妻のパートタイム就業の働き方が以前と変わらない場合、家事や育児の負担が増えた夫側の満足度も下がるという結果が出ています」(金井さん)
同調査の結果では、特に40代の兼業主婦世帯は、夫も妻も満足度の低下が顕著だった。
住宅ローンや子供の教育費など出費も多い。高齢の親のケアや介護の問題が出てくる時期でもある。年齢による体力の低下もあって、そもそも疲れとストレスをため込みやすい世代だ。そこにコロナ禍が直撃。感染防止にピリピリするなか、夫と言い争うことに疲れたとの声が聞かれた。
「夏場、わが家の必需品は冷たい麦茶。夫がテレワークになってから消費量がハンパない。飲み終えたら冷蔵庫に補充してと何度も言ったのに、『ゴメン忘れてた』と、毎度スルーされて腹立たしい。こっちはパート以外に、家事と子育てをワンオペでこなしてるのに……。最近はあきらめて注意もしなくなった」(47歳・兼業主婦)
一方、調査の結果は、満足度は40代、50代を底にして、夫婦関係は再び安定してくる傾向に。60代に入ると子どもも独立。家庭内も落ち着いてくるからだとみられる。