こんなに広かった?と思うほどスッキリした「ごみ部屋」。ここの後エアコンもつけました/After
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 5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。

【片づけ前の「ごみ部屋」はこちら】



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case.6 邪魔する夫を「ネタ」にしたら片づけを完遂できた
夫+子ども2人/看護師

 今回は、キャリア15年の看護師の女性の片づけです。夜勤と日勤の混ざった不規則な勤務をこなしながら、基本の家事と子育てはこの女性が担当し、忙しい日々をサバイブしていました。

 悩みは、子どもが幼く一番散らかる時期に片づけられなかった家をそのままにしていることでした。

 眺望が素晴らしい30畳のリビングは物でいっぱい。昨年の夏、コロナ禍で家族がリビングにいる時間が増えて、もうこれ以上は放置できないとプロジェクトに参加したのです。

 彼女には、片づけのほかに2つの課題がありました。一つは家族をもっと家事に巻き込むこと。家族みんなが家にいる夜勤明けの休日、お昼ごろに帰宅すると子どもたちの汚れ物はそのまま、掃除も一からしなきゃいけない……。

 夫にはなかなか頼りきれず、夫婦のコミュニケーション不足も原因とわかっている。彼女は、話すきっかけを失っていました。

 プロジェクトの初期はどんどん不用品を家から出していきます。夫は、ひまさえあれば黙々と片づける妻を最初はただ眺めていました。

 ある日、忙しい夫と時間が合い、話す機会を持ちました。なぜ片づけたいのか、家を片づけてどうしたいのか、やっと気持ちを伝えることができました。女性にとっては大きな一歩です。

 すると10日後、夫が動きだします。「ごみ部屋」と呼んでいた物置部屋にあるCDやDVDを片づけ始めたのです。いつもはしないキッチンのシンクの掃除をしてくれた日もありました。女性も、心から「ありがとう」が言えました。

 子どもたちもママを助けました。上の子は下の子に、「いる?いらない?」と聞いて不要なおもちゃを仕分けてくれました。

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せっかく片付けたスペースに袋菓子が4箱届いた