鹿島さんは「勝負師」と称される菅首相を、「負けが込んだギャンブラー」とたとえる。
「新人の国会議員時代に総裁選で梶山静六さんを担いだり、加藤の乱に加わったり、政局での賭けは負けてばかりでした。首相になってからも、Go Toや緊急事態宣言の発令、解除の判断はやはり負けばかり。でも菅さんの怖いところは、これまでに万馬券を2回当てたこと。安倍さんの2度目の総裁選で応援したときと、自身の総裁選出馬です。ギャンブラーは万馬券を取った快感を忘れられませんし、負けが込んでいる人ほど大きな賭けに出ようとするもの。菅さんは、大会が始まれば国民は不満を忘れてくれると思っているんでしょう。ギャンブルに弱い人が必死に賭けているところが、非常に怖い」
付き合わされる国民はたまったものではないが、賭けは吉と出るか、凶と出るか。
「実際に大会が始まれば、どんどん問題点が出てくると思います。それにもかかわらず日本の新聞やテレビは、メダルラッシュで『感動をありがとう』報道を続けるかもしれません。それに対して海外のメディアは、辛辣な報道をするでしょう。両者の読み比べをして大会の成否を判断したいですね」
【金メダル】
・安倍晋三(前首相)
「アンダーコントロール」/招致プレゼンでの発言が、その後のゴタゴタの伏線に
【銀メダル】
・森喜朗(前大会組織委会長)
価値観をアップデートできない“昭和のおじさん”
・佐々木宏(クリエーティブディレクター)
古い感性で女性蔑視の言動が問題に
【銅メダル】
・菅義偉(首相)
「負けが込んだギャンブラー」/五輪成功は総選挙のため?
(本誌・菊地武顕)
※週刊朝日 2021年7月30日号