大手マンション管理会社、大和ライフネクストで調査を行うマンションみらい価値研究所所長の久保依子さんは言う。
同社の管理物件では、認知症の住人が、鍵をかけずに短時間外出した他の住戸に上がってしまい、冷蔵庫を開けているところを帰宅した家人に発見されて警察を呼ぶ騒ぎになった例もあるという。
「こうしたことを防ぐための対策として、“玄関ドアやエレベーターのボタンに本人がわかる目印をつけたい”というご相談をご家族からいただくこともありますが、玄関ドアやエレベーターは共用部分で、管理組合の承諾や管理規約、使用細則の改正が必要です。個人的な都合で、共用部分のルールを変えることはどうしても難しいことが多いのが実情です」(久保さん)
(フリーランス記者・松岡かすみ)
※週刊朝日 2022年7月22日号より抜粋