
Wi-Fiでネットにつながると、メールやアプリの利用は可能になる。電話回線はつながらなくても、データ通信回線を経由して事実上、通話ができる。たとえば、LINEやSkypeなどの通話アプリは、同じアプリの利用者同士なら、電話やビデオ通話が可能だ。
LINEアプリで「LINE Out」という機能を使えば、LINEの利用者以外にも、電話番号に電話をかけることができる。Skypeにも電話番号に電話をかけることができる機能がある。
電話回線でなく、データ通信回線を経由し、050で始まるIP電話のアプリもある。維持費は月0円から300円程度などさまざま。このアプリを入れておけば、Wi-Fiがあれば、いつでも通話できる。石川さんは「安く維持できるのなら、とりあえずアプリを入れておくのもいい。ただ、音質が良くないので普段使いには向かないかもしれない」という。IP電話アプリについては、法林さんも「入れておくと便利」と話す。
今回のKDDIのように、特定キャリアの通信網で障害が発生した場合に、別の通信網を確保する裏技がまだある。
天野さんが勧めるのは、近くに知り合いか親族などがいる場合、自分と違う通信網のスマホを持っていて、それが使えるなら、スマホ機能の「テザリング」を使わせてもらうことだ。
たとえば、夫がKDDI系、妻がドコモ系の通信網のスマホを持っていたとする。夫のスマホが通信障害で使えなくなっても、妻のスマホの通信網にテザリングという方法でつなぐと、夫のスマホでもデータ通信ができるようになる。平時に試しておくといい。
「一度設定すれば、そのつど設定しなくてもいい」(天野さん)
最近は携帯電話各社がお得な家族割を導入し、家族ごと囲い込む動きが広がっている。緊急時のリスク分散には、むしろ、家族で違う通信網を使い分けるのもいいかもしれない。(本誌・浅井秀樹)
※週刊朝日 2022年7月22日号