焦らずに、参戦をちょっと遅らせる
相手の怒りに対し、こちらも応酬しなければ、とあせる必要はない。どうあがいても、そういうのは内向型の得意技ではないからだ。
まずは落ち着いて、直接対決を遅らせよう。そして、相手の立場からも問題を考えてみる。たとえば、自分なりに状況を分析してみるのだ。
「彼は私の上司。激怒しているけど、なんでいきなりキレたのか。誰かがへまでもやらかした? 私はべつに、地雷を踏むような真似はしてないよね?」
そうやって、相手の感情や行動の理由をあれこれ想像していると、解決の糸口が見えてくる。
直接対決のタイミングを遅らせるのは、内向型にはかなり役に立つ。
もし相手が一方的に怒鳴り続けていても、無理して反論したり、あわてて説明をしたりする必要はない。相手がついに黙るまで怒鳴らせておけば、こちらは考える時間を稼げるというものだ。
もし早急な対応が必要で、相手から即答を求められたら、できる限り時間稼ぎをしよう。
たとえば、こんなふうに提案する。
「お求めの情報がいま手元にないのですが、すぐに手配します。〇〇部の責任者に関連情報をまとめさせ、20分後にあらためてご連絡します」
(本原稿は、ジル・チャン著『「静かな人」の戦略書──騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法』からの抜粋です)