初心者が避けたいファンドはまだある。AI(人工知能)などの最先端IT企業に投資する、といったテーマ型の投信だ。
「テーマ型を全否定しているわけではありませんが、信託報酬が通常で2%近く、高コストな点が気になります。また、トレンドに左右されることで値動きが大きくなり、初心者向けとしては疑問符がつきます」
■新興国1カ国もNG
平野さんによると、新興国1カ国の株だけが組み入れられた投信も避けたほうがいい。
「値動きの大きなものは心理的な負荷が大きく、初心者には向きません。その意味で、中国、インド、ブラジルなど個別の新興国1カ国の投信は避けて」
昨年3月、コロナショックで世界的に株価が暴落したものの、その後の株式市場は好調。つまり、最近、投信デビューした初心者は大きな下げ相場を知らない。安いときにたくさん買うことで、反転したときに大きな利益が得られるのが積み立て投資の効用。暴落が来ても気長に付き合える投信を選ぼう。(ジャーナリスト・安住拓哉、編集部・中島晶子)
※AERA 2021年5月24日号