資産運用の主役として定着しつつある投資信託。6千本近くある投信は玉石混交だが、初心者が比較的安全に運用できるのはどれ? NGは? AERA 2021年5月24日号で金融のプロに話を聞いた。
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昨年末で302万人を突破した「つみたてNISA」、今年3月時点で193万人が加入する年金制度「iDeCo」。税制面が得なこれらの制度を使って投資信託(以下、投信)を買う初心者が急増している。
「この1年で投信の積立口座は1.5倍に増えました」
と語るのは、ネット証券最大手のSBI証券投資信託部次長、仲岡由麗江さん。
個人が買える投信の数は6千本近くあるが、投資が初めてでも安心して買える投信はどれか。仲岡さんに、金融のプロ目線でランキングを作ってもらった。
■繰り上げ償還リスク
「まず純資産総額30億円以上を一つの目安に。その投信がどれぐらいのお金を集めているかを示す数字です。純資産総額が少ない投信は人気のない投信ともいえるので、運用会社が運用をやめて繰り上げ償還されてしまうことがあります。運用資金が少なすぎると投資効率が悪くなるというデメリットもあります」
安定運用の投信を選びたいので、「資金流入連続3カ月以上」という“ふるい”もかけた。
「大きな解約が続くと運用者が思うような運用ができなくなっている可能性が高まります。継続してお金が入っている投信を選びましょう」
表の項目に数値は掲載していないが、とっているリスクに対してどの程度のリターンが得られるか、という運用効率のよさを表す「シャープレシオ」も選別基準に加えた。
同じ株価指数に連動するインデックスファンドの場合は、値動きがほぼ同じなので、日々の運用コストである「信託報酬」が低いものを優先したうえで最終の順位付けをして、完成。
さてランキング結果は? 1位は「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」。2位の「eMAXIS Slim米国株式」と中身はほぼ同じだが、信託報酬の安いSBI・バンガードがトップに立った。仲岡さんがSBI証券だから……という忖度はない。