「上位を独占したのは、同じインデックス投信の中でも、米国の株価指数S&P500や先進国、全世界の株式指数に連動する外国株式という結果。日本株式を対象にした投信は上位30位以内に入りませんでした」
日本の株価指数の騰落率は海外指数に比べて見劣りする。たとえば日経平均株価の225銘柄の入れ替えは年に1~2銘柄。いったん採用されると、赤字に転落してもすぐには除外されず、ある意味“緊張感がない”。
一方、米国を代表する株価指数であるS&P500の場合、指数を算出するS&Pグローバル社が中立的な委員会を設けて、毎年20~30社程度を容赦なく入れ替える。企業努力の足りない会社はすぐ除外されるのだ。
■ブル・ベアは避ける
ランキング後半では、腕利きのファンドマネジャーが運用するアクティブ型の投信も登場。
「レオス・キャピタルワークスが運用する『ひふみ』やNVIC(農林中金バリューインベストメンツ)助言の『おおぶね』などは哲学がしっかりしていて、運用の中身も丁寧に開示されている点が支持されています」
“買ってもいい投信”はわかった。逆に、買ってはいけないのは? 個人の家計相談3千件超のファイナンシャルプランナー、平野雅章さんに聞いた。
「ネット証券の人気ランキングを見ると、『ブル』か『ベア』という名前がついた投信が上位に入っています。ブル・ベア投信は、初心者は避けましょう」
たとえば「日本株4.3ブル」という投信なら、日本株全体より4.3倍の日々の値動きとなる。日本株が100円上がれば、430円上がるイメージだ。上がれば大儲けだが、はずれると4.3倍の損失。また小刻みに値が動くと基準価額が下がる傾向があり、値動きの予想が困難な初心者には危ない。保有期間が長くなるほどその傾向が強まり、長期保有にも向かない。
「毎月分配型ファンドも長期の資産形成には向きません。分配金を定期的に受け取ると、複利効果が得られないからです。分配金の再投資も選べますが、分配金の純増部分(普通分配金)から約20%の税金が引かれて再投資されます。複利効果が弱まるため、分配金がない投信を選んだほうが合理的です」