改修したものの、施設を使用しなかった理由についてはこう回答した。
「東京都としては当時、施設を宿泊療養施設として活用する方向で検討するが、まずは確保済みのホテルを宿泊療養施設として活用することとしたいとの意向であったと伺っており、その後、ホテルの確保も進み、結果として確保されたホテルで対応できたことから、プレハブ施設は使用されなかったものと承知しております」
「また、東京都としては、当該施設で酸素投与の必要がある中等症患者を受け入れ治療を行うことについて検討したものの、配管整備が必要となることや、段差・廊下幅などの施設構造、施設が分棟であることによる動線確保の困難さなど様々な課題があり、結果として当該施設は使用されなかったものと承知しております」
「その後、東京都において宿泊療養施設として必要なホテル等が確保されている現状を踏まえると、当該施設を無症状者等の滞在のために使用するような状況にはないことから、当初の予定どおり、現状回復のための再改修を行なっているものと承知しております」
A病院グループについて質問すると、以下のような回答だった。
「検討の過程でご指摘のA病院グループが運営主体の一つの候補となったことは事実です(略)」
A病院グループを推したとされる菅首相の意向を受け、施設の改修を強引に進めたのではないか、という質問に対しては、「そのような事実はございません」と回答した。
血税48億円を湯水のように無駄にしたことに対する見解も質問したが、回答はなかった。
官邸、厚労省、警察庁、東京都……。どこも反省の弁はなく、責任回避に終始するばかり。果たしてこれで許されていいのだろうか。
(AERAdot.上田耕司)