東京都江戸川区臨海町にある警察宿舎へ再改修中のコロナ療養施設は緑に覆われていた(撮影・上田耕司)
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東京都江戸川区臨海町にある警察宿舎へ再改修中のコロナ療養施設は緑に覆われていた(撮影・上田耕司)

 記者は実態を知るべく、現在は警察宿舎へ再改修が行われている4カ所のコロナ療養施設を歩いてまわった。江戸川区臨海町の施設には約9棟のプレハブが建っていた。樹木の緑が窓にかかり、自然環境には恵まれていた。敷地内の立て看には「警視庁臨海町仮設待機施設等の借入れ工事」とある。

 「改修費用は警察庁が出し、施設を管理していたのは警視庁です」(厚労省関係者)

 現在、再改修工事が行われているが、作業着を着た工事関係者に状況を尋ねた。

 「長く使ってなかったから、建物の中はカビとかが生えちゃっているので、きれいにクリーニングしています」

 隣の江東区に移動し、改修工事に長く携わった関係者にも話を聞いた。

「コロナ感染者の宿泊施設だったことは知っていますが、患者を見かけたことはないですね。現在は東京五輪の警備に当たる警察官の宿舎に再改修していますが、基本的に部屋のレイアウトは変えずに、シャワーやトイレなどの水まわりを別の棟に移動させ、寝泊まりする棟と水回りだけの棟とに分けています」

 再改修は5月末まで続き、6月から警察派遣部隊が宿泊するスケジュールが組まれているという。

 「アメニティはぜんぜんありません。ただ寝るだけの施設ですが、冷暖房は各部屋についています。再改修ではひと部屋に2段ベッドを置き、8人の警察官が共同生活を送るようにレイアウトされます」(工事関係者)

 大田区のプレハブ施設内には「都有地につき 東京都港湾局」という看板が立っていた。羽田空港が近いせいか、上空を飛行機が通過していた。

東京都大田区城南島にある再改修中のコロナ療養施設は羽田空港に近く、上空を飛行機が飛んでいた(撮影・上田耕司)
東京都大田区城南島にある再改修中のコロナ療養施設は羽田空港に近く、上空を飛行機が飛んでいた(撮影・上田耕司)

 警察庁総務課広報室に、改修費用などを質問すると、文書でこう答えた。

「改修と現状回復に要する経費は、昨年4月の無症状者等の滞在施設への改修に、約37億円。今年4月からの警察派遣部隊用の宿泊施設への現状回復に約11億円であり、いずれも警察庁予算です」

 新型コロナ感染者をその施設で何人受け入れる予定だったか、一度もコロナ感染者の受け入れがなかった理由も質問した。

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パーになった48億円 警察庁の言い分は?