「改修後の施設については、約800人規模の滞在が可能であり、東京都において必要があると判断した場合に、無症状者等に滞在していただくこととされていました。結果として、使用には至らなかったものと承知しており、その理由についてはお答えする立場にありません」(同広報室)
施設改修の依頼者は誰なのか。
「宿泊施設のうち厚労省から依頼のあったものにつき、改修を行いました」(同)
当の厚労省担当者にも話を聞いたが、他人事のような回答だった。
「厚労省としては施設の改修内容とか、感染症なのでゾーニングについての助言はしました。東京都との連絡調整や感染症に知見があるという立場から助言などをしていました。警察庁から依頼の文書を欲しいと言われたので、厚労省から必要な手続きを進めるようご協力をお願いしますという文書は出しています」
東京都に和泉補佐官らが準備したコロナ施設を使わなかった理由などについて質問した。
「トイレとかバスが共用であったりとか、なかなか個別管理をしにくい施設だった。ホテルのようにアメニティもない。その点、ホテルはお客さんを泊めるのに一番向いた施設ですから、療養者も気兼ねなく過ごせる。政府の施設よりも、ホテルの方がよりベターだった」(東京都福祉保健局)
そして都の担当はこう続けた。
「そもそも東京都が国から宿泊療養施設として、借りるところまで行っていない話です。国のほうで準備した施設なので国が改修した。都が管理しているところではないので、国のほうにお聞き下さい」
A病院グループにも菅首相との関係とコロナ療養施設について取材を申し込むと、代理人を通じて文書で回答があった。
「当グループ代表は菅首相と3・4年前から面識がございます」
「当グループが感染者の治療にあたるといったことが内定していたとの点を含め、質問いただきましたような事実は一切ございません」
責任者だった和泉首相補佐官に取材を申し込むと、次のような回答があった。
「『新型コロナウィルス感染者の宿泊療養施設の整備・運営に関する関係者協議会』の議長として参加しており、厚労省や事務局である内閣官房等から相談を受けて、助言を行なうことはありました」