世界中のスラム街や犯罪多発地帯を渡り歩くジャーナリスト・丸山ゴンザレスが、取材先でメモした記録から気になったトピックを写真を交えて紹介する。
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■定番だから食べたい路上グルメ「バロット」
フィリピンB級&ストリートグルメの定番なのが「バロット」である。フィリピンやベトナム(では、ホビロンという)で食べられている「孵化直前のアヒルの卵をゆでたもの」だ。
おやつの定番で、屋台などで簡単に買える。筆者も飲みのつまみや、カップラーメンのトッピングなどでお世話になっている。見た目はグロいのだが、味はおいしい。体液は濃厚なチキンスープで、白身と黄身の濃さも癖になる。
おいしいものは人に薦めたくなるので、「バロットおいしいよ、食べなよ」と、周囲に言って回ることも多い。以前、大阪でディナーショーをやったときには、鶏の卵で代用して提供してもらったこともあるほどだ。
■どうやって頼むのがいい?
バロットを人に薦めていて、よく言われるのが「羽毛が引っかかって嫌だった」。これは経験者に特に多い。実際、フィリピン人はヒナに近いほうを好む傾向にある。なかでも18日目の卵(かなりヒナの状態に近いもの)が最も美味とされている。
羽毛を避けるなら、もっと卵に近い日数のものを頼むのがいいだろう。その目安となるのが卵に書かれた数字である。もし、書かれていなかったとしても、店の人はだいたい把握しているので、「何日目?(What day is this egg?)」と聞けばいい。どうしても見た目が耐えられないという人は、「ペノイ(penoy)」と言えば無精卵のゆで卵を出してくれる。さすがに風情はないが、なんとなくの雰囲気は味わえる。
注意してほしいのは、「18日よりもっと若い卵」というニュアンスで「ヤング・エッグ」と言うと、ほぼヒナの状態のものを渡されることが多い。フィリピン在住の友達にそのことを相談すると、「ヤングっていうとヒナ鳥をイメージするから、育ったやつを渡されるんじゃない?」と言われて納得した。意地悪ではなく、あくまで英語のニュアンスとしてヒナ鳥的な感じにとられてしまうからだとしても、ほぼヒナの状態に驚く私を見て笑っていた屋台のオヤジは、わかっていたと思う。絶対に!(文/丸山ゴンザレス)