「我武者羅」の人気メニュー元祖長岡系の「生姜醤油ラーメン」は一杯750円だ(筆者撮影)
「我武者羅」の人気メニュー元祖長岡系の「生姜醤油ラーメン」は一杯750円だ(筆者撮影)
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 日本に数多くあるラーメン店の中でも、屈指の名店と呼ばれる店がある。そんな名店と、名店店主が愛する一杯を紹介するこの連載。新潟県出身でフレンチシェフからラーメン職人に転身した店主が愛する一杯は、新潟ラーメンを都内に広めた功労者が紡ぐ愛情こもったラーメンだった。

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■評価されたラーメンをあえて「休止」

 新潟ラーメン専門店「我武者羅(がむしゃら)」は、新潟県見附市出身の蓮沼司さん(48)が開いたお店で、ご当地ラーメンが都内でも食べられるお店として大人気だ。本店は渋谷区の幡ヶ谷にあり、代々木に支店、そして別ブランド「背脂煮干中華そば 心や」を幡ヶ谷で展開している。

新潟らぁ麺専門店 我武者羅/東京都渋谷区幡ヶ谷2-1-5 弓ビル1F/11:30~15:00、18:00~23:00営業/年中無休(不定休)/筆者撮影
新潟らぁ麺専門店 我武者羅/東京都渋谷区幡ヶ谷2-1-5 弓ビル1F/11:30~15:00、18:00~23:00営業/年中無休(不定休)/筆者撮影

「我武者羅」では、蓮沼さんが学生時代から食べてきた新潟5大ラーメンの一つ「生姜醤油ラーメン」を提供している。濃口の醤油と豚の旨味溢れるスープに生姜を合わせることで、さっぱりと食べられるのが特徴だ。生姜の効果で体もポカポカと温まり、まさに寒い地方のご当地ラーメンといえる。生姜が入れ放題で、お好みの量でカスタマイズできるのもうれしい。

 別ブランドの「心や」では同じく新潟のご当地ラーメン、燕三条ラーメン(背脂煮干ラーメン)をふるまっている。燕三条ラーメンには80年以上の歴史があり、煮干がビシッと効いたスープに背脂を浮かべ、極太麺を合わせている。薬味として刻みタマネギを乗せるのも特徴だ。「心や」のラーメンのスープは、スッキリとした濁りのない清湯(ちんたん)ながら、煮干の旨味と香り、醤油っぽさがしっかり出ており、そこに甘めの背脂が厚みを加えてくれる。極太の縮れ麺にスープが絡んで大変美味しい。

別ブランド「心や」の「岩のり中華そば」は900円。刻みタマネギがアクセントに(筆者撮影)
別ブランド「心や」の「岩のり中華そば」は900円。刻みタマネギがアクセントに(筆者撮影)

 前回の記事でも紹介したが、蓮沼さんはフレンチシェフとして料理人の道を歩み始めた。ラーメン職人に転身してからは、「生姜醤油」「背脂煮干」と新潟の2つのご当地ラーメンを進化させ蓮沼さんテイストにし、ヒットさせてもきた。かつては濃厚味噌ラーメンの「弥彦」、「Miso Noodle Spot角栄」なども展開し、各店の売り上げも好調。業界内外からの評価も高かった。だが、今は「我武者羅」「心や」の2ブランドに落ち着いている。

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ブランドをしぼる理由