
■オレンジ丸ごとの香り豊かな老舗西洋菓子店のオレンジゼリー
さっぱりと酸味のあるお菓子が恋しくなる季節に、お土産としても喜ばれるのが、「村上開新堂」の「オレンジゼリー」です。寺町通りに佇む「村上開新堂」は、焼き菓子「ロシアケーキ」で広く知られる1907(明治40)年創業の西洋菓子店。大正後期に作られた冬季限定のみかんゼリー「好事福盧(こうずぶくろ)」は、食通の作家、池波正太郎が愛した菓子として広く知られています。爽やかな味を夏にも味わいたいと顧客からの要望で作られたのが、夏季限定の「オレンジゼリー」です。食べる直前に、蓋部分についている果肉をゼリーの表面にぎゅっと絞り、果汁でより瑞々しくなった状態で口に運ぶと、程よい酸味と甘味が口いっぱいに広がり、口福をもたらしてくれるのです。

■透明キューブに込められた自然の造形美
桜好きの私へと、友人からソメイヨシノのSola cubeをいただいたのが初めての出合いでした。手のひらに乗る4センチ角の透明キューブの中に、浮かぶように咲く凛とした花の姿を、光に照らしてみたり、くるくると回し角度を変えて見たりして、いつまでも飽きることなく眺めていたのです。透明感のあるキューブは、棚やデスクの上に飾ってインテリアとしても楽しめます。自然が生み出す造形の美しさをそのまま立体的に封入することで、より神秘さが増していくようです。ウサギノオには“強く柔らかく”など、ひとつひとつに、クリエイティブ・ディレクターの吉村紘一さんによる「宙言葉(そらことば)」が添えられています。心の隙間にふっと入り込んでくるようなその言葉の力も含めて、想像力が果てしなく広がっていくのです。