トルコ出身で日本在住の人気エコノミスト、エミン・ユルマズさん(撮影/写真映像部・加藤夏子)
トルコ出身で日本在住の人気エコノミスト、エミン・ユルマズさん(撮影/写真映像部・加藤夏子)
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 エミン・ユルマズさんはトルコ出身の国際エコノミスト。米国株のバブル崩壊を早くから発信していた。「AERA Money 2022秋冬号」の巻頭インタビューからお届けする。

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 国際生物学オリンピックに16歳で出場して金メダルを獲得した俊才、エミン・ユルマズさんは、留学先に日本を選んだ。東京大学で生命科学を学んだ後、野村證券時代の上司と立ち上げた複眼経済塾の塾頭として、『会社四季報』の活用法から世界経済の読み方まで幅広く伝授している。米国株がバブル状態にあると警鐘を鳴らす一方、日本株に「すごい追い風が吹く」と予想する。

幼少期は小柄なやんちゃ坊主。
給食のゆで卵を取られて大げんかしたり

 エミンさんは自らの幼少期を「小さい頃はやんちゃだった」と振り返る。

「小柄だったからいじめられることもあったけど、殴られたら殴り返せって感じ。給食で出たゆで卵を横取りされたのが悔しくて、大げんかしたこともあるよ」

 母は中学校の理科教師だったが、いわゆる「教育ママ」ではなく、エミンさん自身が「勝手に勉強していた」。父は洋服店を切り盛りし、ふかふかの毛皮のジャケットを作るのが得意だった。

 エミンさんの才能が開花するのは高校時代。大学の生物学科卒業レベルの知識や考察問題に世界中から選ばれた高校生が挑む「国際生物学オリンピック」で最高得点を獲得した。数学や物理、化学にもオリンピックがある中、エミンさんが生物学を選んだ理由は何?

「生物学チームに入ると、顕微鏡を自由に使ったりして研究室で遊べるから。なんだかおもしろそうじゃない?」

 行動力と好奇心の塊だったエミン少年は、日本に関心を寄せる。来日したのは1997年。バブルの余韻が残る一方、その年の11月には山一證券や北海道拓殖銀行が経営破綻(はたん)している。

「生物五輪で金メダルを取ったら、国(トルコ)から奨学金が出て海外留学できることになったんです。そのとき、妙に日本が気になった。日本は米国に次ぐ世界2位の大経済圏だけど、なぜ日本が成功したのかがわからなくて。

 留学先といえば欧米で、日本を選ぶ人はほとんどいなかったので実態が全然わからない。ただ、トルコは古くから親日国で、日本のゲーム機やアニメで育つ子どもは多い。私も任天堂の『スーパーマリオ』が大好きでした」

 東京大学では工学部から大学院へ進み、当初は学者を目指して最先端のバイオテクノロジーを学んだが……。

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