加藤照美さん(撮影/金城珠代)
加藤照美さん(撮影/金城珠代)
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 発達障害の息子(13)とその傾向がある娘(8)。2人の子育てを経てある主婦がたどり着いたのは、同じ境遇にある親たちが支え会える居場所づくりだった。静岡県に住む加藤照美さん(41)が4年前にフェイスブックで立ち上げた非公開グループ「発達障害の子を持つ親の会~話してみませんか?~」には、いまでは約8000人が集う。今年、コミュニティリーダーを支援するためフェイスブックがトレーニングやサポート、資金提供を行う「フェイスブック コミュニティ リーダーシップ プログラム」で、日本から唯一の受賞者に選ばれた。加藤さんが発信するのは「障害ではなく個性として認めてほしい」という親たちの声だ。

【画像】親子で凸凹に向き合う加藤さん一家

<こんな朝食を作ってみました>

<想像の斜め上をいく子どもの言動に笑ってしまった>

<診断を聞いて泣いた>

<子どもが暴れて家の窓ガラスを割ってしまった>

 加藤さんが運営するグループでは、日々の投稿が10件ほど、多い日ではコメントを含めて100件以上のやり取りがされている。書き込まれる内容は子どもの食事や学校選び、友達とのトラブルなど多岐にわたる。春になると卒業や入学の報告も飛び交うという。

「互いに支え合うということをみなさんがやってくださっていて、安全な場所なら吐露したいこと、聞きたいことがたくさんあるんだろうなと思います」

加藤さん一家
加藤さん一家

 そう話す加藤さん自身も子どもたちの個性と向き合い、それに合わせた付き合い方を試行錯誤してきた。子どもが中学生になってから理解できるようになった言動もある。いまでは凸凹のある子との接し方を学ぶペアレント・トレーニングの講座も開く加藤さんも、支えてくれる人も無く、情報さえ遮断し「子育ては苦行だ」と思っていた時期があったという。

 最初に"違和感"を持ったのは、上の子を出産してから2、3日目だった。産院の部屋で休んでいても「赤ちゃんが泣いているので授乳に来てください」と呼ばれる回数が明らかに他の子より多かった。自宅に戻っても授乳間隔が1時間も空かず、グズグズと泣き続ける状態が1歳ごろまで続いた。地域の子どもたちが集まる支援センターや育児サークルに行っても、息子だけ円陣の中心にいたり、癇癪を起こして泣き止まなくなったり……。居づらさと行き帰りの大変さから足が遠のいた。

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寝かしつけに2時間、夜泣きも2時間ごとに…