片づけルール、というのは具体的にはこういったものを指します。

・片づけるタイミング
・収納方法
・所有する物の量

 夫婦とはいえ、元は赤の他人が一つ屋根の下で暮らすわけですから、感覚は違って当たり前。例えば、片づけようとするタイミングも、人によって違いがあります。「妻がしょっちゅう出しっぱなしにする」と苦々しく思っている方は、もしかしたら自分はすぐ片づけるけれど、妻は後で片づけるタイプなのかもしれません。

 片づけられない妻・イライラする夫という組み合せのご家庭では、夫のパーソナルスペース(書斎など)は、とてもきれいに効率的に片づけられているのが特徴的です。夫は空間認識能力に優れた人で、それゆえに妻が同じようにできないのがもどかしく、文句を言いたくなるのでしょう。ただ、それでは先に述べたように妻はどんどん自信を失い萎縮してしまいます。

 そういった環境の男性には、ぜひともご自身がイニシアチブを取って、片づけルールの見直しにチャレンジしていただきたいと思っています。

 妻を自分の都合よく動かせる魔法はありません。感覚の違う相手に同じ習慣を求めることにはそもそも無理があります。空間認識能力が優れているほうが「相手の感覚」を配慮しつつルールを見極めていくのがいちばん効率の良いやり方です。

 例えば「脱いだらいったん置くが、寝る前には洗濯機に入れる」というルールを夫婦で共有できれば、苛立ちは減らせます。また、本人が無意識に戻せるよう、動線上無理のない場所に置き場を決めるなど、ストレスフリーな収納をつくることで、いちいちぶつかることなく解決できる場合もあります。

●片づかないなら出かけてはいけない?“正しさ”が妻を追い詰める

 NGコミュニケーション、2つめは「行動の否定」です。妻の行動を否定している夫がいいがちなセリフがこちらです。

「この状態で出かけるなんて、家のことから逃げてるわけ?」
「そんなこと言う前にもっと家のことをちゃんとしたら?」
「プロに頼むなんてダメ、自分自身でなんとかすべきことでしょ?」

 ただでさえ片づけが苦手な妻に対して、どうすればよいのか解決方法もわからないことを「ひとりでなんとかしろ」というのはかなり酷な話です。

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本当に、家は片づいているほどよいのか?