王室は同時に「2人が話し合う機会を設けたい」としていて、1カ月もたたない12月16日にバッキンガム宮殿にレディ・ハッシー氏とフラニ氏とを招き、「和解」を進めた。レディ・ハッシー氏は誠心誠意謝罪し、フラニ氏は受け入れた。王室は、フラニ氏の慈善団体から学ぶ機会を検討するなど、職員研修を強化していく方針を示している。椅子に座った2人が笑顔で向かい合う写真も公開された。
ヘンリー王子とメーガンさんは、すぐに反応した。それなら私たちにも王室からの謝罪があるべきで、それは出席予定の来年5月の戴冠式の前に行われるべきだとする。フラニ氏には謝罪したのに、自分たちにしないのはダブルスタンダードであるという。王室についてはドキュメンタリー番組公開後、「会おうとしない。公式な謝罪をしない。説明責任を果たさない」と批判した。
これにまた王室が反応。関係者の言葉として、「王室は2人に会う予定はなく、ドキュメンタリー番組へのコメントもしない。それは一方的で、自己中心的。暴露的な内容ばかりで、王室は傷ついている」とする。ウィリアム王子は、以前から「もし和解があるなら、ヘンリー王子夫妻からの謝罪がまず先にあるべき」との姿勢をとっている。
チャールズ国王(74)は、初めてのクリスマス・スピーチの録画を先日に済ませた。ドキュメンタリー番組の公開で生じたショック、怒り、悲しみなどへの言及はまったくないそうだ。恒例の12月25日午後3時に、英国と英連邦などで放送される予定だ。
(ジャーナリスト・多賀幹子)
※AERAオンライン限定記事
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