3月といえば……出会いと別れ、桜、花粉症、お彼岸などをまず思い浮かべる方も多いでしょうが、気になるもののひとつに、“確定申告”をあげる方もいらっしゃることでしょう。
確定申告を経た後、所得税をはじめ国民健康保険料、住民税などが決まるわけですが、私たちが生活するうえで欠かせない、さらには大切な義務と頭では理解していても、「どうしてこんなに(!)税金を納めなければならないの?」とつい考えてしまいますね……。
そこで今回は、そんな気持ちがパッと晴れそうな古今東西の一風変わった税金をまとめてみました。

古今東西、ちょっと変わった税金について調べてみました
古今東西、ちょっと変わった税金について調べてみました

「税金」納付は、勤労・教育と並んで憲法で定められた義務

日本では国民の三大義務のひとつとして「勤労」「教育」と並び「納税」が憲法で定められています。
ここ最近、連日のようにテレビで様々な国会議員が登場し、国のお金をつかさどる省庁に関連した不祥事(疑惑?)が話題ですが、そんな報道を見るにつけ「何のために私は税金を払っているのだろう?」と思ってしまったり、税金の納付額を見て「私はまるで税金を払うために働いているみたい 」と落ち込んでしまうことも……。
とはいえ税金は、国を運営していくための基本となる大切なお金であり、そのほかにも私たちの生活に欠かせない、公共のサービスを提供するための大切な財源でもあります。
一方、税金には人々の意識や行動を一定の方向に向けさせる働きもあります。健康を増進させる目的の下、体に悪影響を与えそうなものには高い税金をかけたり……といった具合に、税金にはさまざまな役割があるのです。

国民の三大義務のひとつとして憲法で定められている「納税」
国民の三大義務のひとつとして憲法で定められている「納税」

ロシアの皇帝ピョートル大帝が考案した、髭の税金

ロシアの皇帝ピョートル大帝(1672年~1725年)はロシアの近代化を図るため、ヨーロッパに大使節団を派遣し、自らも参加しました。帰国後、さまざまな改革を推し進めたピョートル大帝は、貴族に西欧風の身だしなみを強要。髭を切ることを命じ、また国民の髭にも税を課したのです。また、髭のほか、ショールや帽子、風呂、洗濯にも大帝は税金をかけたといわれています。ただし、大帝自身は髭は薄かったそうです。
ロシアでは古くから髭は大切なものとされていたため、他人の髭を抜いたら罰金という驚きの規則のほか、正教徒(ロシア正教の信者)は「髭を剃ってはいけない」という法令もあったとか。ですから、この「髭税」は人々に大きな困惑を招きました。

髭に課税とは……。さすがピョートル大帝
髭に課税とは……。さすがピョートル大帝

デンマークでは、肥満防止にバターやチーズに課税

世界でも課税額が高い国として知られるデンマークでは、2011年10月から脂肪税が施行されました。これはバターやチーズ、ミルクさらにケーキなどの一部、飽和脂肪酸を2.3%以上含む食品にかかる税金です。
「飽和脂肪酸って何?」と思った方は、動物性の脂肪と考えるとわかりやすいかもしれません。脂質の中でも常温で固まる特徴があり、摂りすぎると中性脂肪、コレステロールを増やしてしまう恐れがあるもの。ちなみに、消費税25%に加えて上乗せされることから家計の負担も大きかったのでしょう。税法が施行されて約1年後の翌2012年に廃止されたそうです。

バターに課税して肥満を防止。その結果は?
バターに課税して肥満を防止。その結果は?

健康増進のため砂糖が入った炭酸飲料に課税

健康増進を目的とした税金は、ヨーロッパ各国やアメリカでも見られます。
例えば2011年に、フランスではソーダ税と呼ばれる税金が承認されました。これは砂糖が入った炭酸飲料に税金を課すというものです。
同じくアメリカでもいくつかの市で、砂糖入りの飲料へ同じようなソーダ税が導入されています。このような動きはヨーロッパのほかの国にも広がっています。