さて、忘れがちなのが心への対応です。心が落ち込んでいると、免疫力もてきめんに低下します。私がいつも言っているように、心のときめきがとても大事なのです。
このときめきは人によって様々です。私の場合、心をときめかせるのは、毎日の晩酌。そして、コロナでめっきり減って最近、復活してきた講演。大変だけど完成の喜びがある原稿の執筆です。また異性への恋心も欠かせません。女性とのハグほど、心をときめかせるものはありませんね。
最後に生命への対応。生命のエネルギーを高めるのは何と言っても呼吸法です。白隠禅師の呼吸法がピカイチですが、呼吸法はいろいろです。気功でも太極拳でもかまいません。自分に合った呼吸法で生命のダイナミズムを上昇させましょう。
帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中
※週刊朝日 2023年1月20日号