
NPBの新規定導入が素早く決まった。ネット・SNS等を通じた世論の声を無視できなくなり、従来の“ノンビリ決定”をするわけに行かなくなったのも理由の1つとされる。
【写真】交流戦で3試合連続完封など別リーグの打線を手玉にとったのがこの人
NPBは8月4日、今後に導入する新規定を発表。主としては、ジャッジの公平性を高めるための“リプレーセンター”設置検討。セ・リーグの“DH(指名打者)制”導入。そして、「SNSへの写真および動画投稿の規定」の緩和だ。
「どれも検討案件だとは思っていたが、素早く導入されて驚いている。選手会からの積極的な働きかけもあったが、何よりもファンの声が大きい。ネット・SNS等を通じて、かなりの声がNPBや各球団に届いていたと聞く」(在京球団OB)
プロ野球では多くの改革が行われ、新たな試みも導入されてきた。しかし導入決定に至るまでは「検討」という名で時間を要してきた歴史があり、今回の早期決定に驚いた人は多い。
「“リプレーセンター”で使用する映像は、当面は現状のリプレー検証と同じものを使用。セ・リーグの“DH制”は1年のインターバルを挟んだ2027年から。細かい準備はこれからということで、前もって導入の考えはなかったようにも感じる」(スポーツ新聞野球担当者)
“リプレーセンター”設置はMLBのシステムを参考にしたものだが、検証映像のレベルには大きな差がある。MLBでは、各球場に設置された“ホークアイ”を用いた映像判定システムを活用。対するNPBでは、従来のリクエスト判定時同様にテレビ中継映像で行う。
“DH制”導入に関しては、各球団内でチーム編成上の調整が必要で来季からの導入には間に合わなかった。「(“DH制”導入までに)猶予はいると私たちは決めていました。それが1年半ということです」と、セ・リーグの鈴木清明理事長(広島)も時間が必要なことを認めている。
「今季は本塁打を巡って“誤審”と思える判定があった。また3割打者すら希少になった『打てない野球』に対する苦言も増えている。どちらもネット・SNS上で“燃え上がる”騒ぎに発展、NPBも看過できなかったのではないか」(スポーツ新聞野球担当者)