その他、鹿島アントラーズが変わらぬ勝負強さ、柏レイソルも変わらない分厚い攻撃を見せて勝利し、京都サンガF.C.もエースFWラファエル・エリアスが復帰して逆転勝利を収めた中、FC町田ゼルビアが中断明けのヴィッセル神戸戦で、中山雄太と相馬勇紀のゴラッソ2発で2-0快勝を収めた。これで町田はリーグ戦6連勝で首位と勝点4差。J1初昇格だった昨季は後半戦に失速して3位フィニッシュとなったが、今季は反対に夏場になってから調子を上げて来ており、天皇杯で京都を1-0で下した戦いも含めて、この3週間の中断期間で90分を戦い抜く安定感がアップした印象だ。最終ラインで菊池流帆が存在感を示し、一時戦列を離れていた中山も戻って戦力的にも充実。夏を迎えて徐々に「変化した」チームだと言える。
一方、「変われなかった」チームの一つが、ガンバ大阪だ。中断前の川崎戦で今季初の逆転勝利を収め、期待感を高めた状態で中断期間に入ったが、中断明けのファジアーノ岡山戦で0-3の完敗。ポヤトス監督は中断期間中に実施したという「3バック対策」に自信を見せていたが、効果は見えず。これまで通りに“怖くないボール保持”を続け、フィニッシュの場面は宇佐美貴史の個人技頼り。2点ビハインドの後半途中から仕掛けたジェバリとヒュメットの2トップは可能性を感じさせたが、結局はゴールを奪えずに敗れた。また、主力MFネタ・ラヴィに移籍報道があり、クラブとしての求心力低下が今後の戦いにどう影響するかが懸念される。ここから変われるだろうか。
そして11日の月曜日に行われた1試合では、セレッソ大阪がメンバーを「変化した」中で勝利を収めた。今夏の新戦力であるDF井上黎生人、MF本間至恩がリーグ戦初スタメンで、右SBディオン・クールズも2試合目のスタメン。いずれも好パフォーマンスを披露し、3-1快勝に貢献した。今回のメンバー変更は天皇杯から中4日だったことも影響している。今後は新たに獲得を発表した大畑歩夢を含めてどのようなスタメンを組むのかが注目されるが、チームとしては間違いなく戦力が上積みされ、戦術的にも洗練されてきている。まだ首位とは勝点差10と離れているが、パパス監督の攻撃サッカーがより浸透した状態での“猛追”が十分に期待できそうだ。