
日本列島が連日の猛暑から一転、警報級の大雨に見舞われた中、J1リーグが約3週間の中断を経て再開した。移籍期間を経ての仕切り直しの一戦で、天候同様に3週間前から「変化した」、もしくは「変わりそう」なチームがあった一方、「変われなかった」チームもあった。
9日の土曜日に行われた3試合の中で最も変化が期待されたのは、降格圏に低迷する横浜FMだった。中断前にCBのジェイソン・キニョーネスとボランチのジャン・クルードが負傷から復帰。彼らに加えてJ2のいわきFCから獲得してデビュー戦でゴールを決めた谷村海那もスタメンに名を連ねたのだ。
だが、東京ヴェルディの強度が高いハイプレスの前に後手を踏み、効果的な攻撃ができずに無得点のまま0-1で試合終了。3週間の“立て直し期間”で復帰&新加入メンバーの練度アップが期待されたが、内容的にも「変われなかった」という印象だ。今夏に復帰したCB角田涼太朗がベンチ入りしたが、今後のスタメン起用で変わることが期待される。
川崎フロンターレは今夏にCB高井幸大とFW山田新が海外移籍した代わりに、中断期間中に新外国人選手2人を獲得した。そしてアビスパ福岡相手に早速、ウレモヴィッチがCBとしてスタメンデビューを飾ったが、不用意な足裏タックルで1発レッドにまさかの“前半15分で退場デビュー”となった。ただ、この15分だけで評価を下すのは時期尚早だ。
そしてもう一人、FWロマニッチが後半27分から途中出場すると、すでに2人少ない数的不利の中でも光るプレーを見せて今後への期待を抱かせた。再開初戦では2-5という思わぬ大敗を喫したが、退場者2人を出すというイレギュラーな出来事があったが故であり、次節以降へ向けては「変わりそう」なチームだ。
浦和レッズは2-1で横浜FCに勝利した。6月に加入して中断前の7月3試合(スタメン2試合)に出場していた小森飛絢が中断明けも引き続き1トップで起用されると、ゴール前でストライカーらしくこぼれ球に反応する形で2得点を決めて結果を出した。同時に、マテウス・サヴィオをサイドではなく中央で起用する形が機能し始めており、スピードタイプの松尾佑介の1トップが最適解かと思われたところから「変化した」戦い方が今後は定着しそう。多くの選手を放出した今夏だったが、人員整理の意味合いが強く、戦力ダウンは感じない。むしろスリム化されたことでチームの一体感アップを期待したい。