中断明けを黒星スタートとなった横浜FCには、実績十分のFWアダイウトンが加入した。圧巻のフィジカル能力を武器に磐田やFC東京で活躍したブラジル人ストライカー。34歳での再来日に疑いの声もあったが、浦和戦で後半途中からピッチに立つと、終了間際に圧巻の個人技でゴールをこじ開けた。チームの低迷は続き、状況の厳しさは変わらないが、中断期間に加わったアダイウトンは希望の光と言え、チームが「変わりそう」だと期待は持てる。

 10日の日曜日の中では、清水エスパルスが「変化した」戦いを見せた。0-3で完敗した天皇杯から中3日で同じサンフレッチェ広島が相手となったこともあり、「同じ轍を踏むまい」とシステムを4-2-3-1から3-4-2-1に変更。そして中断期間中に浦和から獲得したFW高橋利樹を1トップに起用した。その高橋がハイプレス&即時奪回の先導役となり、特に前半戦はボール支配率62%でシュート6本(広島は3本)と試合を優位に進めた。後半は選手交代で攻勢に出た広島の前に後手に回る時間帯も多くあって0-0ドロー。システムは4バックと3バックを今後も併用して行くことが予想されるが、高橋の存在によって「変わりそう」な気配がある。

 そして今夏に大きく「変化した」のが、FC東京だ。中断明けの一戦は鹿島を相手に0-1敗戦となったが、内容的には悲観すべきではなく、ボール支配率55%、シュート18本(鹿島は10本)とデータでも相手を上回った。

 開幕から3バックで戦ってきたが、6月に入って4バックに変更。その中でGKキム・スンギュ、CBショルツ、SB室屋成、そしてFW長倉幹樹の新戦力たちが即フィットした。すでに長倉は天皇杯も含めてゴールを量産して救世主と言える働きと存在感を見せており、鹿島戦ではマルセロ・ヒアンとの2トップが、得点こそ奪えずも多くのチャンスを作り出して今後へ大きな期待を抱かせた。中断明け初戦の結果は伴わなかったが、間違いなく「変化した」チームだ。

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