ビタミンD

 ビタミンDは骨の成長を促すことでよく知られていますが、コロナ禍で、免疫を高めるのにも重要だとして注目されるなど、多様な作用があることが知られるようになりました。その中の一つに精神的な作用があることもわかってきました。

 うつ病の人ではビタミンDが不足していて、ビタミンDを補充するとうつ症状が改善したという研究もあります。ビタミンDは、日光に当たると生成されます。北欧ではビタミンD不足が大きな問題になっていますが、日本でもオフィス生活をしているとほとんど日に当たらないで過ごしてしまうので、ビタミンD不足の人が増えています。

 次に挙げる亜鉛とともに、日本人に不足しがちなものですが、採血すれば数値を簡単に測れるので、心配な人は調べてみてください。

亜鉛

 幸せホルモンとも呼ばれる「セロトニン」は、トリプトファンというタンパク質から産生されますが、その産生に関わっているのが亜鉛です。牡蛎、抹茶、煮干し、ゴマ、きな粉、切り干し大根などに多く含まれています。

ビタミンC

 ストレスにさらされると、ビタミンCが急速に消費されます。ストレスは精神的なものだけではなく、疲労、暑さ、寒さ、感染症なども含まれます。ストレスが多い人は、意識して摂るようにしましょう。ビタミンCは緑黄色野菜やフルーツ、イモ類に多く含まれています。

 糖質を代謝するには、ビタミンやミネラルが必要です。しかし糖質を摂りすぎると、その代謝のためにビタミンやミネラルが大量に消費されてしまいます。

 また、糖質の摂りすぎによって、血糖値が急激に上昇すると、インスリンが大量に分泌されて今度は血糖値が急激に下がります。低血糖になると不安感や強い眠気、集中力の低下などが起こりやすくなります。こうしたことから、糖質の摂りすぎには気をつけましょう。

 とはいえ、糖質はからだや脳のエネルギー源となる重要な栄養素です。食事についてはどれか一つの栄養素に偏るのではなく、バランスよく食べるということが何より大事です。

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