
阪神は熱狂的なファンの応援を背に受け、本拠地の甲子園で27勝18敗、勝率.600を誇るが、中日戦は3勝3敗と五分に持ち込まれている。CSファイナルステージは1位球団のホームで行うが、阪神にとってアドバンテージになるとも言い切れない。
独走でリーグ優勝したチームのCS敗退例
ペナントレースを独走してリーグ優勝を飾った球団が、CSファイナルステージで敗退した例は過去にある。
2017年の広島は2位の阪神に10ゲーム差、3位のDeNAに14.5ゲーム差をつけ、圧倒的な強さでリーグ連覇を飾ったが、CSファイナルステージを勝ち上がったDeNAに第1戦を勝った後、4連敗を喫して敗れた。当時の広島担当だったスポーツ紙記者が振り返る。
「DeNAがファイナルステージに勝ち上がってきたとき、嫌な予感はしました。12勝13敗とシーズンの対戦カードで唯一負け越した相手だったんです。DeNAのロペス、筒香嘉智、宮崎敏郎のクリーンアップに打ち込まれていたデータも気になりました。実際にCSで対戦した時もその3人を封じることができなかった。勝たなければいけないという重圧もあったと思います。投打でミスが多く、試合の主導権を握れず、どんどん追い込まれました」
14年にリーグ3連覇を飾った巨人も、シーズンでは2位の阪神に7ゲーム差をつけたが、短期決戦は形勢が逆転した。CSファイナルステージで阪神に初戦から4連敗で敗退。阪神は藤浪晋太郎、岩田稔、メッセンジャー、能見篤史と先発陣がきっちり試合を作ったことが勝因となった。
「巨人はエースの菅野智之が右肘痛を発症して登板できなかったことが大きな痛手だった。シーズンで9勝をマークした大竹寛も右肩痛でシーズン終盤に戦列を離れていたため、先発陣が盤石とは言えなかった。1戦目に杉内俊哉、2戦目に内海哲也で連敗して一気に状況が苦しくなりました。本拠地の東京ドームにもかかわらず、阪神ファンの応援が凄くて圧倒されました」(民放テレビ関係者)