試合前に言葉を交わす阪神・藤川球児監督(左)と中日・井上一樹監督
試合前に言葉を交わす阪神・藤川球児監督(左)と中日・井上一樹監督
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 阪神が2年ぶりのリーグ優勝に向け、順調に白星を重ねている。交流戦後は21勝7敗と勝率7割5分で勝ち進み、貯金は22に膨らんだ。2位の巨人に12ゲームの大差をつけ、リーグの貯金を独り占めしている。(データは8月4日時点)

【写真】この大砲も中日戦は打ちあぐねている…

「投打のバランスが非常に良く、今の戦いぶりを見ると大失速することは考えづらい。リーグ優勝は間違いないでしょう。追いかける球団がないことも阪神独走の要因になっています。巨人は井上温大、西舘勇陽、グリフィンが登録抹消され、先発の台所事情が苦しい。3位のDeNAも牧秀悟、オースティン、筒香嘉智と強打者たちが戦列を離れている。2位以下は大混戦で、中日、広島を含めてどのチームがCS進出するか読めません」(スポーツ紙デスク)

 2位の巨人から5位の広島まで3.5ゲーム差に4球団がひしめいている。その中で阪神にとって不気味な存在となっているのが、4位の中日だ。阪神は巨人に13勝5敗、DeNAに10勝4敗2分と大きく勝ち越しているが、中日に5勝7敗と唯一負け越している。他球団のスコアラーはこう指摘する。

「中日と対戦する時の阪神を見ると、戦いにくそうだなというのは感じますね。強力打線がなかなかつながらず、試合の主導権が握れない。CSで対戦するとしたら最も厄介に感じるのが中日じゃないですかね」

中日投手陣を打ちあぐねている阪神打線

 データを見ると苦戦の要因が紐解ける。阪神自慢のクリーンアップがそろって、中日投手陣を打ちあぐねている。3番の森下翔太は中日戦の打率.188、4番の佐藤輝明は打率.250、5番の大山悠輔は打率.209といずれも苦戦。現在首位打者のリードオフマン近本光司も打率.189とリーグの対戦別で最も成績が悪い。

 逆に、中日の主力打者たちは、抜群の安定感を誇る阪神の投手陣を苦にしていない。上林誠知は阪神戦で打率.333、細川成也は打率.304、岡林勇希は打率.319といずれも3割を超えている。阪神投手陣トップの9勝をあげている才木浩人は、中日戦に2試合登板し、0勝2敗、防御率4.50。大竹耕太郎も2試合登板で0勝1敗、防御率5.40。いずれも中日がCSファイナルステージに進出した場合、先発登板が予想される投手だが、今季は中日戦で白星がなく、打ち込まれている。

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