
「きっぷを買う」ボタンを新設
そんななか、JR東日本は7月3日、新型の指定席券売機の導入を発表した。
「日ごろ指定席券売機をご利用されることが少ないお客さまにも、シンプルでわかりやすい操作方法を実現した」(JR東日本)という。
一番の改善点は、初期画面のトップに「きっぷを買う」という、ある意味当たり前のボタンが新設されたことだ。ようやく「ユーザー目線に立った画面の表示になった」と、小林さんは話す。
新型機は今年7月から順次導入され、今年度中に首都圏を中心とした約20駅に約160台を設置する予定。10月1日には、改札外に設置されている既存の指定席券売機も、新型機と同様の画面表示に更新される予定だという。
こうした対応を、小林さんは「みどりの窓口の混雑緩和の一助になると思います」と評価する。
ただし、新型機の導入台数は現時点ではまだ少ない。
「お盆に向けたみどりの窓口の混雑緩和には間に合わないと考えられます」(小林さん)
7月中旬、JR東京駅を訪ねた。駅員に確認すると、「新型機は、まだ導入されていません」ということだった。
混雑が解消される日は来るのか
さて、今後、「指定席券売機が難しい」問題が改善されるとすると、「使いにくさ」が際立ってきてしまうのがウェブ版のえきねっとだ。記者も使う機会があるが、在来線と新幹線を乗り継ぐ場合など、表示されたどの選択肢を選べばいいのか、時刻表を見ながらでないと、よくわからず、ストレスをためている。
「えきねっとで予約したきっぷは指定席券売機で発券できますから、えきねっとの操作がわかりやすくなれば、みどりの窓口の混雑緩和につながります。JR東日本はえきねっとの操作性の改善に取り組むべきだと思います」(小林さん)
暑い時期の行列は、体力・気力面でも、時間のうえでも、並ぶ人にとっては大きな負荷だ。
みどりの窓口の混雑が解消される日はいつ来るのだろうか。
(AERA編集部・米倉昭仁)
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