上位チームと徐々にゲーム差が開き、Aクラス入りが厳しくなりつつある5位の楽天。主砲の浅村栄斗が大きく成績を落としているだけに、特に野手陣は若手の台頭が待たれると言える。5年目の入江大樹がプロ初打点を記録するなど成長を見せているが、もう1人期待したいのが4年目の吉野創士だ。

 昌平高校では下級生の頃から評判の強打者で、2021年のドラフト1位で入団したが、昨年までは二軍でも結果を残せず、今シーズンからは背番号が9から78に変更となっている。ただ今年はここまで二軍でチームトップの68試合に出場し、チーム2位となる60安打を放つなど成長を見せているのだ。

 ちなみに二軍での出塁率、長打率はいずれも入江を上回っている。三振が多いなどまだまだ対応力には課題が残るものの、チームに数少ない若手の強打者候補だけに、何とか二軍でアピールして後半戦は一軍昇格を果たしてもらいたい。

 上位チームでは日本ハムの高卒のドラフト1位ルーキーである柴田獅子がフレッシュオールスターでも好投を見せ、後半戦の開幕となる26日のロッテ戦で早くも一軍デビューする予定と報じられている。無理はもちろん禁物だが、若手選手にとって一軍の舞台を早く経験することで得られるプラスの部分も大きいはずだ。今回は下位の球団から取り上げたが、それ以外からもチームの将来を担うような選手が続々と抜擢されることを期待したい。

(文・西尾典文)

こちらの記事もおすすめ ロッテ再建へ「覚悟の道」は日本一メンバーの招聘、バレンタイン氏復帰の可能性もゼロではない?
[AERA最新号はこちら]