敦賀気比では下級生の頃からレギュラーとして活躍し、3年時には春夏連続で甲子園にも出場。2021年の育成ドラフト2位で広島に入団している。2年目までは二軍でも打率1割台と苦しんだが、昨年は64試合に出場して打率.277をマーク。そして4年目の今年はウエスタン・リーグで4位となる打率.283とさらに成績を伸ばしているのだ。
持ち味はその高いミート力で、速いストレートにも変化球にもしっかり対応することができ、三振の数も極めて少ない。7月20日に行われたフレッシュオールスターでも3安打の活躍を見せてアピールした。まだ育成契約となっているが、打線の起爆剤となる可能性を秘めているだけに、支配下登録、そして一軍での積極的な起用も検討してもらいたいところだ。
パ・リーグで最下位に沈んでいるロッテだが、投手では田中晴也、木村優人、野手では山本大斗、寺地隆成など若手の台頭が目立つのは好材料だ。その勢いを加速させるという意味でもさらなる若手の抜擢に期待がかかるが、面白い存在となりそうなのがドラフト3位ルーキーの一條力真だ。
常総学院時代から大型右腕として評判で、東洋大では主にリリーフとして活躍。ルーキーイヤーの今年も二軍で中継ぎとしてここまで12試合に登板して防御率0.87と見事な成績を残している。ストレートは常時150キロを超え、長いリーチで高い位置から投げ込むためボールの角度も抜群だ。決め球の鋭く落ちるフォークもブレーキは申し分ない。二軍ではここまで10回1/3を投げて15奪三振と三振を奪えるのも魅力だ。
一軍初登板となった7月15日のソフトバンク戦では1回を投げて1失点とほろ苦いデビューとなったが、それでもストレートは最速154キロをマークしており、ポテンシャルの高さは十分に示している。チームはリリーフ陣の整備が課題なだけに、新たなクローザー、セットアッパー候補として注目してもらいたい投手である。