
前半戦が終了した今年のプロ野球。徐々に来季に向けての動きも気になる時期となってきたが、特に期待したいのが将来のチームを担う若手選手の抜擢である。先日行われたフレッシュオールスターでも高い将来性を感じさせる選手は多く、また育成選手にとっては7月末に迫った今シーズン中の支配下昇格締め切りに向けて最後のアピールを見せている選手は少なくない。
そんな中から後半戦にぜひ一軍で試してほしい選手について、下位に低迷しているチームからピックアップしてみたいと思う(成績は前半戦終了時点)。
セ・リーグで圧倒的最下位に沈んでいるヤクルト。二軍もイースタン・リーグで勝率.303と一軍以上に厳しい戦いとなっているが、その中で数少ない希望の星となりそうなのが3年目の坂本拓己だ。
北海道の奥尻島出身で、知内高校では下級生の頃から主戦として活躍。3年夏の南北海道大会では準決勝で東海大札幌のエースだった門別啓人(阪神)に投げ勝って決勝進出を果たし、2022年のドラフト4位でプロ入りした。昨年までは体作りもあって二軍でも登板機会は少なかったものの、今年はここまで二軍で12試合に先発して1勝4敗ながら防御率は3.62を記録している。
坂本の存在が注目されたのが7月4日に行われた侍ジャパン大学代表とヤクルト二軍のオープン戦だ。この試合で坂本は150キロを超えるストレートを連発。1学年上で大学4年生のドラフト上位候補たちを上回るボールを投げ込み、成長ぶりをアピールした。四死球がまだ多くコントロールには課題が残るものの、これだけスピードのある左腕というのは貴重である。チームにとって数少ない若手投手の有望株だけに、後半戦の一軍デビューに期待したい。
そのヤクルトに前半戦最後の3連戦で3連敗を喫し、5位に沈んでいる広島も世代交代が課題となっている。特に得点力が大きな課題だけに野手の底上げが必要だが、そこで名前を挙げたいのが4年目の前川誠太だ。