日本球界に復帰する藤浪晋太郎(日刊スポーツ)
日本球界に復帰する藤浪晋太郎(日刊スポーツ)
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 DeNAがマリナーズ傘下の3Aタコマを退団した藤浪晋太郎の獲得を16日に発表した。阪神でプレーした2022年以来、3年ぶりの日本球界復帰となる。

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 注目されるのは起用法だ。スポーツ紙デスクは「米国でプレーした3年間は主にリリーバーで投げていましたし、先発で長いイニングを投げるより、救援で投げたほうがフィットするのが早いのでは。今年守護神を務めていた入江大生が右上腕の神経障害で7月12日に登録抹消され、代わりに9回を託されたウィックも上半身のコンデション不良で7月16日に戦線離脱して、救援陣がコマ不足になっているチーム事情もあります」と予測する。

 即戦力として期待される藤浪だが、日本球界で結果を残せるかは未知数だ。阪神時代から悩まされていた制球難がネックとなり、海を渡って1年目の23年にはメジャーで7勝をあげたが、昨年からは2年連続でメジャー昇格が叶わなかった。今年はマリナーズ傘下3Aで21試合に登板し、2勝1敗4ホールド、防御率5.79。6月17日に自由契約となり、退団した。米国で取材する通信員はこう振り返る。

「160キロを超える直球は大きな魅力です。多少甘くなってもストライクゾーンに投げ込めれば簡単に打たれない。問題は制球力に尽きます。米国の各球団は技術面、精神面の両方から様々なアプローチをして改善を試みました。藤浪自身も握り方を変え、フォームを修正するなど色々な工夫をしてきましたが、安定したパフォーマンスを発揮するまでに至らなかった。打者が手も足も出ない球で三振に仕留めたかと思ったら、ストライクが突然入らなくなり、走者をためて痛打を浴びる。突然崩れるケースが珍しくないので、首脳陣からすれば計算しづらい。米国の他球団で移籍を模索しましたが、31歳と決して若くない年齢ですし、若返りを優先するチームが多い。メジャー昇格は厳しいのが現実でした」

 3年ぶりの日本球界復帰となり、藤浪と対戦する他球団の打者はどのような印象を持っているか。在京球団の30代の選手は「阪神でのキャリア途中からは伸び悩んでいましたが、高卒1年目から先発で活躍していた投手ですし、球の速さは球界トップクラスです。スライダーのキレ味も鋭い。米国から戻ってきて久々の対戦になりますが、力でねじ伏せる投球スタイルは変わっていないと思います。簡単に打てる投手ではない」と警戒を口にする。

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