
「中日の監督になりたいOBは多い」
民放テレビ関係者は「セ・リーグで一番伸びしろがあるチームが中日だと思います。実際に『中日の監督になりたい』というOBは多いですよ。潜在能力の高い選手がそろっていますし、日本ハムのように強いチームに変貌する可能性を秘めている。井上一樹監督の手腕が注目されます」と話す。
借金完済が直近の目標となるが、そのための投手陣のキーマンはエースの高橋宏斗だ。昨年は12勝4敗、防御率1.38で最優秀防御率のタイトルを獲得するなど順調にステップアップしていたが、今季は3勝8敗と大誤算。150キロを超える直球が簡単にはじき返される場面が目立ち、中日OBは「アウトステップで体の開きが早いので、打者から見ると球の出所が見やすくなり直球が速く感じられない。スプリットも見極められるので投球が苦しくなる。微調整すれば改善すると思います。宏斗は2ケタ以上勝って貯金を作ってもらわなければ困る」と話していた。だが、7月16日の阪神戦では好調な阪神のクリーンアップを完璧に抑え込み、4安打無四球で今季初の完封勝利。後半戦もこの調子を維持できれば、チームの順位を上昇させそうだ。
野手陣では、得点力向上のために細川の打棒爆発が不可欠な要素となる。細川は広いバンテリンドームを本拠地に23年から2年連続20本塁打以上をマークしている。5月に右ハムストリングスのコンディショニング不良で1か月半近く戦列を離れたが、6月19日に1軍復帰した後は状態がいい。開幕当初は5番や3番を打つことが多かったが、復帰後は4番を任される試合が増え、7月の6連勝中は4番に定着。7月は月間打率.340、3本塁打、10打点を記録している。
中日を取材するスポーツ紙記者は「細川のホームランアーティストとしての能力は佐藤輝明(阪神)に引けを取らないと思います。『4番で起用されると結果が出ない』と言われていましたが、それでも個人的には4番で固定してほしい。それだけの価値がある選手だと思います」と話す。